経営のヒント

2013年9月20日 金曜日

ピーチの挑戦(4)

おはようございます!!

今週、来週と3連休、という会社も多いと思いますが、この3連休のお天気はまずまずの模様ですね。秋空の下、どこかにお出掛けになる方も多いのではないでしょうか。

さて、本日はピーチとはじめとするLCC(格安航空会社)のコスト・ダウン術についてです。

先日もお話しましたが、LCCでは、「お客様を安全に、確実に目的地に運ぶ」というコアなサービスのみに重点的にコストをかけ、それ以外のサービス(機内食、音楽、映画。。。)をはじめとする他のコストを徹底的に抑えることで、安価な航空運賃を実現している、と言えます。

そんなコスト削減の方法を見ていきましょう。

運航コストの低減
1.運航機種を1機種程度に統一し、可能な限り機種を絞り込む  
2.航空機メーカーから特定機種を大量に一括購入契約、または金融機関を通じたリース契約にすることで、機体コストを抑える  
3.パイロットの操縦資格と訓練コストを最小にする/客室乗務員の訓練コストを最小にする  
4.整備の共通化によって、保守部品と保守機材、メンテナンス要員の訓練コストを最小にする  
5.既存の航空会社が乗り入れている混雑した大空港をできるだけ使用せず、大都市周辺の混雑していない地方の中小空港に乗り入れる
6.多頻度・定時運航によって航空機を有効活用空港駐機料を最小にする
7.ボーディングブリッジを使わずにタラップを使用しての搭乗、いわゆる「沖止め」を行なうことで施設使用料を安価に抑える  
8.設備を簡素化した格安航空会社専用ターミナルを利用する
9.機内清掃は乗務員自身も行い地上要員数を最小で済ませる
10.整備設備を自社で持たず、整備を他社に委託する

人件費の削減
1.飛行訓練に対するコストを削減するために、すでに乗務資格を取得している運航乗務員を中途採用する  
2.乗務員を含めて社員の給与や待遇に掛かるコストを抑える(多くは契約社員
3.制服を有償配布とする他、既存の大手航空会社では無償で与えられる靴やバッグなどの各種備品を有償配布とする  
4.社員向け無償/割引航空券の廃止や、他社との社員向け無償/割引航空券の提携を行わない  
5.客室乗務員の訓練を有償に、もしくは訓練期間中を無給とする
6.空港カウンターには搭乗手続きを実施する時間帯のみにスタッフを配置し、時間外は閉鎖する。  
7.インターネットや自動チェックイン機によるセルフチェックインの推進。カウンターチェックインを有料化する。 

機内サービスの簡略化
1.機内食や飲料は有料販売にする
2.預かり手荷物の無償枠を下げ、有料化を増やす  
3.機内シートには掃除しやすい合成革張りを使用する  
4.座席指定を廃止し自由席とする/座席指定を有料化する  
5.毛布や枕などを有償化する  
6.座席ごとのビデオや音楽放送、機内誌、新聞、雑誌などの機内エンターテインメントを省く
7.座席の前後間のスペースを詰める(ハイデンシティ)ことで座席数を増やす  
8.座席クラスをエコノミークラスに統一する 

以上がLCC一般のコスト・ダウン術です。ちなみにピーチはほとんど上記項目を実施しています。

ただし、現在、LCC3社の中でも、ピーチが勝ち組になりつつあるのは、上記コスト削減の実施に加え、当初より、関西国際空港及び那覇国際空港を拠点に、国内・海外(アジア)の路線を拡大していく、という戦略がはっきりしており、その戦略通りに進め、搭乗者数を直実に増加させている点にあると考えます。

コスト削減方法については、おそらく、従来の航空会社の常識では考えられない徹底ぶりですね。しかし、中途半端にコスト削減をするより、こうして、徹底的にすることで運賃の低下を実現することは、多くの乗客にとって、納得のいくことではないでしょうか。そして、それが、今や消費者にとっては、一つの選択肢として提供されており、今後、長期にわたって安全性が確保されていくことでますます需要は増えていくものと思われます。


そして、本日の質問は

「コスト削減の可能性について、どう考えますか?あなたは従来の常識にこだわり過ぎていませんか?」


さて、今週はここまでです。また、来週の3連休明けにお目にかかります。
3連休の方も、そうでない方も、どうか素敵な週末をお過ごしください!!

投稿者 七野恭子税理士事務所 | 記事URL

2013年9月19日 木曜日

ピーチの挑戦(3)

おはようございます!!

ようやく少し秋らしい、過ごしやすい季節になってきましたね。 私の周りでは、風邪ぎみの方が複数に発生中bearingsign03 どうか早く治してくださいね。

さて、従来の常識を破ったピーチの経営、果たして業績としてはどうなのでしょうか?  
ピーチの会社に少し注目してみましょう。  
  
ピーチはANAを筆頭株主として、2011年2月10日に関西国際空港近く、大阪府泉佐野市に本社を置く会社として設立されました。  当初はANAと香港の投資会社の共同出資で計画され、後に産業革新機構(官民出資の投資ファンド)が資本参加し、資本金は150億円です。  

実際に定期便の運航が開始されたのは、2012年3月1日で、今で1年半ほどが経過したことになります。  当初の計画では、3年後の黒字を目指しているそうです。  
  
なお、実質的に稼働しだした最初の期である2013年3月期(2012年4月~2013年3月)の公表されている業績は以下の通りでした。  
  
2013年3月期通期業績:ピーチ・アビエーション  
  
   売上高        営業損益      純損益
 143億8700万円  △9億6000万円  △12億900万円

  
「2012年3月に運航を開始した同社は、乱立する格安航空会社などとの価格競争の激化で厳しい状況が続いたことから、 営業損益・純損益ともに赤字となりました。一方、今後は路線拡大などによる採算性の改善で早期の黒字化を目指す方針です。」  

という解説がとあるサイトのコメントにありましたが、なにぶん、2012年3月1日に運行がスタートして1か月が経過してからの1年間の業績ですから、 価格競争の激化云々、というのは少し違うかな、と思います。というのも、この1年間でも、路線をどんどん拡大してきており、それなりの初期コストもかかりつつのこの業績なので赤字とはいえ、おそらく予想以上の好業績と言えます。  
  
また、毎日新聞では、ピーチ・井上慎一CEOのコメントと共に以下の記事が掲載されています。  
  
  「機材稼働率が落ちるとLCCは収益性が下がるため、運航品質にこ だわった」と話す。空港の門限によって飛行機   が着陸できず、 翌朝便を欠航することがLCC最大の弱点だが、ピーチは24時間空港の関空を拠点に選び、「機材   繰り」による欠航率は0・02%にとどまった。 他の理由も含めた国内線の欠航率は0・96%で、日本航空、全日空な  ど主要航空10社で最も低かった。定時から15分以内に出発する定時運航率でも成田空港を拠点にするジェットス   ター・ジャパン、エアアジア・ジャパンの国内LCC2社を上回った。  
  
また、2013年度の平均搭乗率は78%で、当初の搭乗率目標70~75%を上回ることとなりました。  
  
ピーチは現在、札幌(新千歳)や福岡など国内7路線、海外はソウルなど3路線に展開し、1日当たり29往復を運航。飛行機を3機増やして10機態勢となる今夏から1年間で400万人の旅客数を目指しています。  
  
なお、他の国内LCC、エアアジア・ジャパンの13年3月期の売上高は34億円、最終損益は36億円の赤字。ジェットスター・ジャパンは明らかにしていません。

なかなか頑張っているピーチの様子がお判りいただけかと思います。最終日の明日は、ピーチ(LCC)のコスト削減の具体的方法について取り上げさせていただきます。

本日のあなたへの質問は、

一度、ピーチに乗ってみませんか?」これでは、質問、というより、誘導ですね?!(笑)

投稿者 七野恭子税理士事務所 | 記事URL

2013年9月18日 水曜日

ピーチの挑戦(2)

おはようございます!!

朝晩、めっきり涼しくなりましたね。いつまでも、暑いと思って、お風呂上りに薄着でいたら、「寒っ!」と感じることがあり、本当にこれからしばらくは、気を付けないといけないなーと思いました。

さて、本日は、ピーチ搭乗のレポート第2弾です。実際に乗ってみて、サービス面で感じたことをお伝えしたいと思います。

今回、関西空港からの出発でしたが、従来のターミナルが「第一ターミナル」となっており(今までは、ターミナルは1つでした)、  新たにピーチ専用の「第2ターミナル」というのが出来ていました。南海やJRの駅の改札を出ると、「まさか!」の従来とは逆方向にこの第2ターミナルがあり、かなり戸惑いました。  
  
その第2ターミナルですが、どうやら貨物倉庫を隔てた向う側にできているようで、電車で行くと、通常のターミナルからピストン運転している専用のバスが出ていて、5~10分くらいかかります。10分に1本くらい出ているので、そんなに バスを待つことはありませんが、それでも、通常のターミナルのことを考えたら、この移動にかかる時間20分くらいは余分に見ておく必要があると思います。 
  
搭乗手続き等は、他の航空会社のものとほとんど変わりません。  
  
搭乗については、全て地上からタラップを使って乗り込むことになります。  
  
シートは真ん中に通路があり、両方に3列ずつになっています。座った時の前のシートとの間隔は、やはり結構狭いかな、と  
感じます。一応、リクライニングになっているのですが、前のシートが倒された折には、かなり窮屈感満載です。  
  
機内では、飲み物、新聞等のサービスは一切なし。音楽や映画といったものもありません。  
  
ただし、有料で何種類かの食事や飲み物を提供しています。  
  
乗客数自身が全部で6席×30列くらい(?)で180人を2人のCAでカバーしています。  
  
当たり前ですが、安全面についてはコストを落とす、ということはできませんので、それなりにコストをかけ、それ以外のサービス面については削減できるところは全て削減した、という感じなのだと思います。  
  
以上、料金とサービス面についてレポートさせていただきました。 

さて、本日の質問は、

「あなたの会社(組織、家庭。。。)でコスト削減する余地があるとすれば、どこですか?」

投稿者 七野恭子税理士事務所 | 記事URL

2013年9月17日 火曜日

ピーチの挑戦(1)

おはようございます!!

台風一過の日本列島ですが、皆様の地域では大きな被害に会われる、というようなことはなかったでしょうか?

ここ関西では、京都・桂川が氾濫するなど、あちこちで被害が出ました。被害に会われた方には心よりお見舞い申し上げます。

さて、今週は少し趣向を変えて、こんなテーマでお話を進めたいと思います。  
  
実は、先日、ピーチ航空(以下、「ピーチ」と呼びます)に初めて搭乗してきました。
  
「ピーチ」と言えば、格安航空券!!とまでは皆さん、ご存知だと思いますが、実際に乗ってみた、という方は意外と少ないのではないでしょうか?  
  
私も、とりあえず「安い」というのは聞いていましたが、どれくらい安いのか?また、LLC(Low Cost Carrier)と通常の航空会社のサービスはどう違うのか?自分で  確かめてみたい、ということもあって、今回の利用となりました。  
  
そのレポートともに、ピーチの経営について、少し見てみましょう。  
  
まず、予約を入れる時点で迷うことがありました。最初はネットで予約しようとしましたが、タイミングにより料金が変化したりしますwobbly。結局、PCからでなく、iPhoneから予約を入れると意外とスムーズにいけたので、もしかしたらシステムの問題かもしれません。  
  
また、他にも予約時に①自由席か、指定席か、②手荷物以外の荷物をいくつ持つか、また持たないか、でそれぞれ追加料金が発生します。この辺りの予約入力とかも、最初は面倒だなあ、と感じました。  

まだまだ、入力画面とかも改善の余地アリ、と思いました。  

次にピーチとANAの料金を比較してみましょう。
  
①◇関西⇔福岡  
■ピーチ...11,690円、12,890円、14,390円です。  
■ANA...14,500円(特割)です。  
  
②◇関西⇔新千歳  
■ピーチ...13,390円、14,790円、16,290円、19,990円です。  
■ANA...43,500円です。  
  
上記は、とある日時の実際の料金です。  
①のケースでは、ANAの特割を利用すれば、時間によっては、100円程度しか変わらないことが判りますが  
②のケースでは、ピーチの最高額と比較しても、2倍以上の差で断然ピーチが安くなっています。  
  
ピーチの特徴の一つとして、同じ路線、同じ時間帯でも、その日程により、大きく価格が変わってくることがあります。  
また、バーゲン商品のような取扱いで、例えば、先日出ていたのは、那覇ー石垣便が980円という破格のものもありました。  

おそらく、単純に航空料金だけを比較すると、どれだけ得か、の差はあれ、ピーチが安いのは間違いないと思います。  
ただし、旅行とかで、よく出ているパッケージになっているもの(沖縄や札幌2泊3日航空料金+ホテルで3~4万円等)  との比較をすれば、ホテル料金などを考えたら、そちらのほうが安いかもしれません。  

本日の質問は。。。。

「あなたは飛行機に何を求めますか?CAのきめ細かなサービスですか?美味しい機内食ですか?それとも、もっと他のものですか?」

投稿者 七野恭子税理士事務所 | 記事URL

2013年9月15日 日曜日

今さら?でも、やはり大切なコミュニケーション(5)

おはようございます!!本日もこちらにお越しいただき、ありがとうございます!!

今日は3連休の中日ですが、ゆっくりお休みされている方もいれば、連休関係なくお仕事、という方もいらっしゃるでしょう。いずれにせよ、暑くなったり、涼しくなったり、季節の変わり目は体調を崩しやすいので、ぜひご自愛くださいね。

さて、今日でこのテーマも最終です。本日は、管理者V.S.部下のコミュニケーションについて取り上げてみましょう。もちろん、中小企業においては、社長V.S.従業員というのも同じです。上司を社長に置き換えてお読みください!

上司が部下に対して、「どうコミュニケーションをとっていいのか判らない」とか、「部下がなかなか思うように動いてくれないけど、これは部下に自分の言葉がきちんと伝わっていないからかもしれない。。。。」そんな悩みを持っている管理者さんも多いと聞きます。

上司と部下のコミュニケーション」というのも、組織では大きなテーマの一つです。

一番に考えられる原因は、上司が一方的に部下に命令したり、叱咤激励したり、"自分語り"をしたり、といった一方通行なコミュニケーションになっている場合です。

自分の日頃の部下との会話を思い出して、思い当たる節がある場合には、ぜひ「部下の話を聞こう」と自分に言い聞かせて、会話に臨んでみてください。

もちろん、その場合にも、「部下を知る」「興味を持つ」ということから、始めてください。興味を持てば、彼(彼女)が話すことに熱心に耳を傾けることができるはずです。そして、必ず、理解しようと努めてください。

「理解している振り」ではなく、きちんと判るまで聞いて、もし、判らなければ、何度でも聞く、そんなことを試みてください。

必ず、部下のあなたへの態度、仕事ぶりは変化すると思います。

さて、今週はコミュニケーションにまつわるお話をあれこれしてきました。もし、何かお役に立ちそうなことがあれば、とりあえず一度、試してみてください!

そう簡単に思うような方向にはいかないかもしれませんが、少しずつ、風の流れが変わるのを感じることができれば、きっとうまくいくはずです!!


そして、本日の質問は

「仕事明けに予想されるコミュニケーションの場面(挨拶、打合せ、商談。。。)を思い浮かべると、うまくいくイメージが湧きますか?」

投稿者 七野恭子税理士事務所 | 記事URL

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